ボクには数字が風景に見える

サヴァン症候群アスペルガー症候群の著者による自伝で、以前から気になっていた本を書店で偶然見つけたので読み始めたところ。

ぼくが生まれたのは1979年の1月13日、水曜日。水曜日だとわかるのは、ぼくの頭のなかではその日が青い色をしているからだ。水曜日は、数字の9や諍いの声と同じようにいつも青い色をしている。ぼくは自分の誕生日が気に入っている。誕生日の含まれている数字を思い浮かべると、浜辺の小石そっくりの滑らかで丸い形があらわれる。滑らかで丸いのは、その数字が素数だから。31,19,197,79,1979はすべて、1とその数字でしか割ることができない。9973までの素数はひとつ残らず。丸い小石のような感触があるので、素数だとすぐにわかる。ぼくのあたまのなかではそうなっている。

著者が人とはちょっと違う感性のなかで生きていること、それを支えてきた家族がいること。なんてことを思いながら、この書き出しだけでぐっときた。

ぼくには数字が風景に見える

ぼくには数字が風景に見える